寒い朝

コンピュータ系のことを書きます

TSをBDMVにしてBD-RやBD-REに焼くときに気づいたこと

事前準備

検証機種

  • BH10NS30 LG製 PCブルーレイドライブ
  • PS3 第2世代
  • LCD-40MDR1 三菱製 レコーダー付きテレビ 2010年発売
  • DMR-BZT710 パナソニック製 レコーダー 2011年発売

ソフトウェア

  • BonTsDemux: TSファイルをm2vとwavに分割する。5.1chのダウンミックス、不要なサービスの削除もできる
  • tsMuxeR: ひとつの動画をBlu-rayに書き込める形に整形する
  • multiAVCHD: 複数の動画をBlu-rayに書き込める形に変換・整形する
  • ImgBurn: Blu-rayディスクに書き込む

大まかな手順の流れ

Blu-rayに記録するためのフォーマットは、レコーダーで録画するときに使うBDAVと、映画などの製品に用いられているBDMVがある。自分でBDAVで書き込むには何個もツールを使うようで面倒くさいと思い、BDMVにした。再生互換性はBDAVのほうが良いそうだが、結果的にBDMVでもだいたい見れた(自分の環境では)。

ファイルが一つの場合だけ

工程: TSファイル → BonTsDemux(m2v+wav) → tsMuxeR(Blu-ray folder) → ImgBurn

ファイルが複数の場合

工程: TSファイル → BonTsDemux(m2v+wav) → multiAVCHD(Blu-ray disc) → ImgBurn

  • multiAVCHDでは先にm2vだけを読み込み、Propertyを開いてWAVを追加する
  • LPCM(WAV)でBDMVを作成したいときは"Subtitles & Audio"タブの"Convert LPCM to AC3"のチェックを外す
  • エンコードは起こらない

分かったこと

BD-R と BD-RE のプレイヤー側での差異

TSファイルを、BonTsDemuxで映像と音声に分離し、tsMuxeRでBDMVに整形し、それをBD-REに記録した。しかし、それを再生しようとしても上手く行かなかった。試行錯誤した結果、BD-RBD-REにそれぞれ同一のイメージを記録したとしても、見れる機種と見れない機種が出てくることがわかった。

機種 BD-R BD-RE
PS3 ×
LCD-40MDR1
DMR-BZT710 ×

BDMV(BD-Video)とBDAVの違いBlue-rayの概要、豆知識というページで、機種が対応している規格のバージョンによって、再生できるフォーマットとディスクの組み合わせが異なるとのことが書かれており、その通りの結果だったようだ。

音声の形式はどうするのか

音声がAACBDMVは規格違反なのだが、tsMuxeRを使った場合は作れてしまう(エラーメッセージは出る)。その場合にも、見れる機種と見れない機種が存在するようだ。

機種 BD-R
PS3 ×
LCD-40MDR1
DMR-BZT710

音声はAC-3形式に変換するのが定石かも知れないが、BonTsDemuxで出力された非圧縮のLPCM(WAV)のままでも上手く行った。下の画像のように、音声がLPCMオンリーのBD-ROMも存在するので、規格に違反することはないだろう。

f:id:microwaver17:20161123105525p:plain

非圧縮のLPCMによる容量の増加は、それほど悩まなくていいと思う。DVD時代と比べて動画の情報量は格段に増えたが、音声の情報量はそれほど上がっていない。なので全体に占める音声のサイズの割合は落ちているはずだ。下の表に参考値を書く。

Blu-ray
形式 サイズ 動画(19.5GB)と合わせたサイズ 全体での音声の割合
LPCM 1577MB 21.0GB 7.5%
AC-3 328MB 19.8GB 1.6%
DVD
形式 サイズ 動画(3.18GB)と合わせたサイズ 全体での音声の割合
LPCM 1280MB 4.46GB 28.7%
AC-3 274MB 3.45GB 7.9%

大事な点

  • 同じファイル構成のBDMVでも、BD-Rに書き込んだ場合とBD-REに書き込んだ場合とでは、見れる機種が異なる
    • →最新の機種やアップデートならば規格が対応していて見れる可能性がある
  • 音声がAACBDMVは規格違反だが、機種によっては見れる場合があるが、基本的に見れない
  • 音声がLPCM(WAV)のBDMVは規格違反ではないし、再生もできる